イギリスの学校

   イギリス生活・仕事のよもやま話は・・・「「まる」ないちにち」へ
   子どもに英語を教える時には、フォニックスから教えましょう~。アルファベットから教えてしまうと、あとが大変!
   その理由は・・・「カテゴリ:英語」のフォニックス
2023 11123456789101112131415161718192021222324252627282930312024 01

プロフィール

haykichi

Author:haykichi
本名:『山下かよ子』
Kayoko Yamashita。

日本で小学校の教員として通常学級と特別支援学級で勤務したのち、夫の海外転勤で渡英。イギリスではプリ・スクールで働き、今は小学校でLanguage Assistantとして勤務。
Nottingham 大学でSpecial Needs Education (特別支援教育) 修士号取得 (2012年)。
Jolly Learning 社のJolly Phonics と Jolly Grammar の公認トレーナー(2013年)。

最新コメント


学用品 «  » 先に学校を選ぶ?家を決める?

いい学校って?

2012/01/22 (日) 08:00
「先に学校を選ぶ?家を決める?」のコメントにも触れたのですが、一つ覚えておいてほしいこと。

日本からいらした方の中には

「イギリス人が多い学校がいい」

と思われる方も多いのでは、と思います。実際、私もイギリスに来たころは、そう思っていました。

しかし、現実はどうなのか。

「イギリス人が多い学校がいい学校とは限らない」 
「Odstedの評判がいい学校が自分の子にいい学校とは限らない」

のです。

<イギリス人が多い学校>
まず、イギリス人が多い学校では、英語のサポートを必要とする子が少ないわけで、全く英語が理解できない子が来たときのサポートの仕方もわからない、ということもあります。英語以外のヨーロッパ言語の子たちは、その子たちの言語の文法や単語が英語と似ているため、英語習得も日本人と比べて断然速いのです。その子たちと比べられて、半年経っても英語を話せない日本人の子が「Lazy (怠けている)」、「発達が遅れているのでは?」と言われたこともあると聞きます。


<エスニックマイノリティーの子が多い学校>
逆にエスニックマイノリティーの子どもが多いところでは、先生やティーチングアシスタントも「英語ができないこと」を理解してくれていることが多く感じます。そのため、使う単語も簡単なものを選んでくれたり、絵などを多く使って視覚的に内容が理解できるようにしてくれることも見られます。また、イギリス人でない親のために、ミーティングを開いたり、宿題のサポートなどもしてくれるところもあります。

<+と->
上記の2種類の学校ですが、それぞれ、+も-もあります。
イギリス人が多い学校へ行けば、当然、イギリス英語を聞く機会も多く、言い回しや発音などは現地のイギリス人の子とさほど、変わらないくらい上達することもあります。
エスニックマイノリティーの子が多い学校では、イギリス英語を話す子が少なく、訛った英語を覚えることも。さらには、学校の先生もイギリス人でない人もいるため、子どもの英語が気がつくと「アフリカ訛り」になっていた、という話も聞きます。

<EALのサポート費>
また、多くの方はご存知ないことなのですが、英語を母国語としない子どもたちは、学校で EAL (English as Additional Language: English as Second Language とは言いません。家庭によっては 2ヶ国語以上で話をしている子もいるため) と登録されます。そして、1年に1度、その子たちの英語の習得レベルを市に提出し、さらに国に提出することになっています。

「子どもの英語の習得レベルが低い=補助が必要 」となり、国は市に英語の習得に必要な補助費を支給し、学校にそれがいきます。学校はその補助費で、専門で英語を教えるスタッフ (←私の仕事ですね) を雇ったり、教材を購入したり、または先生たちへの研修会を開いたりするのです。

ということは、イギリス人が多い学校、または*エスニックマイノリティーの子が多くても、その子たちに英語が問題ない*学校では、この補助費がほとんど支給されない、ということになります。さらに言えば、ずっとそういう状態であったとするならば、教材自体も学校にあまりないかもしれないし、英語補助のスタッフを雇うほどの補助金もないのかもしれないのです。

<親の目で学校を見る>
残念ならが、入学してから、「こんなはずではなかった・・・」という話もよく耳にします。
何回も書いていますが、学校を決めるときには、自分の目で学校を見てから決めてください。
その際、
「自分の子は全く英語ができないけれど、どんなサポートをしてくれるのか」
「英語ができな子はどれくらいいるのか」
「親である自分も英語がいまいちできないので、ペアレンツ・イブニング (保護者会) の時には、通訳を雇ってもらえることは可能か」
「実際に使用している教材を見せてもらえないか」
「学校が補助を出せないのなら、自分または会社が補助を出すので、1日30分ほど、子どもに英語の指導をしてくれないか」

など、思っていることを聞いてみてください。

また、学校に入って子どもたちの作品がかかっている壁に、何かエスニックマイノリティーに関するもの (お祭り、いろいろな言語などなど) があるかどうかも、その学校がどれだけエスニックマイノリティーに力を入れているかもわかる指針になるかと思います。


以上、少しでも学校選びの参考になればいいのですが。

*例えば、インド人やパキスタン人など、子どもの代には3世~になっており、家でも英語が母国語になっていることがほとんどです*

Chunさんからとても参考になるコメントをいただきました。↓是非、お読みください。
関連記事
スポンサーサイト





ブログ、移動しました。新しいサイトは http://kayokoyamashita.com/ です。

「なるほど」「もっと知りたい」と思ったら、下のいずれかのバナーを押していただけると、うれしいです。
にほんブログ村 英語ブログ 子供英語教室へ
にほんブログ村 英語ブログ フォニックスへ
にほんブログ村 英語ブログ 親子英語へ

web拍手 by FC2

Information

     Category: 学校が決まるまで
     Comments (-)
     Trackbacks (-)

学用品 «  » 先に学校を選ぶ?家を決める?

お知らせ


イギリスの学校についてわからないことや不安なこと、心配事。そんな悩みを少しでも解消できたらと思って始めたブログですので、ご質問をいただければ私にわかる範囲でお答えしたいと思っております。もちろん、イギリスで実際にお子さんを学校に通わせてみえる方の貴重なご意見、大歓迎です!

ただし、私自身、プライマリー (小学校) での勤務経験しかないため、セカンダリー (中学・高校) や 6th form に関しては残念ながらお答えすることができません。GCSE、Aレベル、国際バカロレア資格などの資格取得、日本の大学受験に関する条件、帰国子女に関する問い合わせなどをいただいても、一切お答え致しかねますのでご了承ください。

学校選びに関しては、直接ご自分で学校へお問い合わせいただくことをお勧めします。ほとんどの学校はホームページもあり、メールでのやりとりを行うこともできますので、電話での会話に自信がなくても問い合わせは可能です。

また、学校を選ぶ一つの基準としてOfSTED (非政府機関の学校基準局) のサイトも覗いてみてはいかがでしょうか。具体的な学校情報の取得にはお勧めです。

おすすめ教材

家庭での本読みに多く使われるORT
Jolly Learning Ltd.
学校現場でも使われている辞書