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プロフィール

haykichi

Author:haykichi
本名:『山下かよ子』
Kayoko Yamashita。

日本で小学校の教員として通常学級と特別支援学級で勤務したのち、夫の海外転勤で渡英。イギリスではプリ・スクールで働き、今は小学校でLanguage Assistantとして勤務。
Nottingham 大学でSpecial Needs Education (特別支援教育) 修士号取得 (2012年)。
Jolly Learning 社のJolly Phonics と Jolly Grammar の公認トレーナー(2013年)。

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英語論文の書き方:その3 下書き «  » Dyslexia の子どもにもジョリーフォニックス!オーストラリアの学校での取り組み

英語論文の書き方:その2 構成

2013/08/27 (火) 01:43
すっかりご無沙汰していたこのトピック。論文を書いたのがはるか昔のように感じます。一体、どれだけ思い出せるのかわかりませんが、記憶を辿って「論文の書き方:構成」をまとめてみます。

前回下準備で紹介した mapping、これが構成のもととなります。

そもそも何かを調べよう、研究しようと思うということは、「何かを疑問に感じるから」であり、それをどのように解き明かしていくのか」を考えなければいけません。
前回、mapping をもとにプロットを考えると書きましたが、それに肉付けをする感じでしょうか。
前回提示したプロット:

・ 2003年に文科省がLDの数を調査⇒なぜ今? 
・ 日本で Dyslexia が少ないと言われているが、本当なのか⇒現状
・ Dyslexia が英語話者に多いわけ
・ 他の言語では、どうなのか
・ どんな支援ができるのか


まず、「なぜこの論文(アサイメント)を書こうとおもったのか」というはじめの部分が生まれます。プロットを見てみると、LDの数を調査したことに疑問を持ったから生まれたものですが、今、アサイメントを読み返すと、私が家庭教師をしていた子どもが「現地校でディスレクシアかもしれない」と言われたため、その子をひらがなや日本語、また英語で私がアセスメントしたところ、ディスレクシアの様子が見られなかったことから、「なぜ先生はディスレクシアと思ったのか」という素朴な疑問がきっかけになっています。この素朴な疑問」ということが、どのアサイメントでも共通している部分です。

そこで、今までの私の教員歴からディスレクシアだったかも・・・という事例を日本語話者と英語話者からそれぞれ探しました。この3つの事例が「日本語」と「英語」でディスレクシアの出る頻度が違うようだと「仮定」し、それをサポートする資料をもとにして構成していきます。ここまでが第一章になりますね。

次の第二章はプロットでいう
・日本でディスレクシアが少ないと言われている
・ディスレクシアが英語話者に多いわけ
・他の言語でどうなのか
という「分析」部分になるのです。

下準備の段階として、今までに読んだ資料はただ単にまとめておくだけではないということ。ここで私が行ったことは、その論文のキーワードにもなるし、語彙力もなかったので、その論文に出てきた重要な単語を付箋でまとめ、論文に貼っておくということです。
DSCN2586.jpg
これは後々、下書きを書く段階で非常に役に立ちました。こうした言葉は専門用語になってくるので、辞書にも出てこない単語が多いのです。こうして書いておけば、下書きのときにネットなどでその単語を調べる手間も省けるのです。

さて、私はアサイメントでは「言語」によってディスレクシアが認められる割合が違うのかということに焦点をあてたのですが、この際、どの言語を選ぶかもキーポイントになります。アルファベット言語の中でも英語とイタリア語、スペイン語など・・そして、アルファベット言語でない中国語、韓国語、インドの各言語、そして日本語を比較し、日本ではLDの数が少ないというのは本当なのか、そうならば日本語という言語によるものなのかを解き明かし=分析しました。
この段階で役に立ったのが、読み漁った資料を床に並べ、どこに関連するかをパズルのようにつなげていったことです。この段階ではまだ書き始めていませんが、この床に並べた資料がおおよその下書きになるのです。
DSCN2585.jpg
右列が言語によってのディスレクシアの研究(第一章と二章)、真ん中は日本語と英語の違い(第二章)、左は概論(イントロダクションとコンクルージョンで使用するだろうと分類しておいたもの)
こうして見ると、かなり蛍光ペンで色もつけているし、付箋も貼っているし、書き込みもしてありますね。多分、私自身「~の列の真ん中辺りのピンク色」というように視覚で整理するタイプだからです。

そして、ここからわかることや考えたこと、思いついたことを書き留めていきます。
DSCN2588.jpg
もう少しアップで
DSCN2589.jpg
ここで大切なのが、前回も書いたように Critical thining (批判的思考と訳されていますが、私は「批評的な考え」と訳します) に見ていくことです。つねに、「本当だろうか」「ここではこう言っているけれど、それをサポートする意見はどれか」「なぜここでこう結論づけたのか」というようなことを考えながら論文の中身を吟味することと思ってください。

こうして、いくつか検討した結果わかったことから、次の第三章「どうやって日本で支援をしたらいいのか」という部分を導いていったのです。こう見ると、プロットに沿っていっていますね。mapping はいくつも作ってみるといいかと思います。実際、一つの疑問に対して違う見方をしているようでも、同じだったということがあり、自分が何を知りたいのかが明らかになってくるからです。


まとめ:
・mapping はいくつかしてみること
・英語の論文に出てきた単語は付箋に書き出し、机なり論文なりに貼っておくこと
・大切な文は章や項目ごとに色を分けて蛍光ペンで記しておくこと
・床に参考になる論文を置き、どこでどの論文を使うかを分類しておくこと
・床に置いた資料から思いついたことをとにかく書き留めること

次はいよいよ下書きになります。
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