イギリスの学校

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プロフィール

haykichi

Author:haykichi
本名:『山下かよ子』
Kayoko Yamashita。

日本で小学校の教員として通常学級と特別支援学級で勤務したのち、夫の海外転勤で渡英。イギリスではプリ・スクールで働き、今は小学校でLanguage Assistantとして勤務。
Nottingham 大学でSpecial Needs Education (特別支援教育) 修士号取得 (2012年)。
Jolly Learning 社のJolly Phonics と Jolly Grammar の公認トレーナー(2013年)。

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Gifted & Talented:ギフティッド & タレンティッド

2013/02/19 (火) 02:46
イギリスでは、「個」の教育を重視するということに関しては、以前から何度も書いてきています。特別な支援を必要とする子に対しては、一対一のサポートをつけたり (特別教育支援)、特別支援学級に子どもを在籍させるのではなく、通常学級に子どもを在籍させるインクルージョン を実践したりしています。

さて、基本的に教室は4~5つのテーブルに分かれて、子どもたちは習熟度に席が決まっています (個々の机がない)。サポートが多く必要な子どもたちのテーブルから、どんどん自分たちで進めていくことができるテーブルまであります。教科書を使用しないので、このテーブル別にプリントを用意し、個に応じた問題を行っていくのです。

ところが、中にはこの自分たちでどんどん進めていくことができるこの中には、このプリントも簡単にできてしまう子もいるのです。そして、中には周りが驚くような特異な才能や知能を持った子どももいます。そうした子どもたちは Gifted & Talented (ギフティッド&タレンティッド) と言われ、その年齢よりかなり高い能力を持った子どもたちを意味します。
・Gifted:主に英語や算数など、academic (学問的教科) に秀でている子ども
・Talented:主に音楽や運動、芸術など practical (実地教科) に秀でている子ども
となります。

実際、私が勤めている学校でも、毎年、数人、お?この子は gifted だな、という子や、運動能力が非常に高い talented らしき子どもがいます。実際に、成績や理解力などを先生が判断し、学年、そして校長に話をし、みんなの同意を得たうえで gifted または talented として学校で登録します。そうした子どもたちは (学校によって違いますが) 何らかの特別な支援を受けることになります。
私が勤めている学校を例にとりますと、Year 2 (6-7歳児) の算数で特異な才能が認められた子どもや、それに近い子どもたちで、テーブルで使用するプリントが簡単すぎる子どもたちは、算数の時間に別の先生やティーチング・アシスタントが別に授業を行います。内容によっては、Year 4 の問題を解いたり、Year 5 の問題にチャレンジする子もいます。

また、さらにその子の能力があまりにも長け過ぎている場合、IQ テストをすることもあるそうです。これは私の勤めている学校ではないのですが、知人のお子さんがそれに当てはまり、学校から
「IQ テストをした結果、IQ が 160 と分かり、本校において "gifted" と登録し、上位10人のグループで指導をすることにします」
という手紙が来たそうです。そして、IQ が高い子どもたちのための団体や、The National Association for Gifted and Talented Children に登録するように勧められたそうです。

自分の子どもがもしかしたらこの Gifted & Talented に当てはまるかもしれない・・・と思われたら、ペアレンツ・イブニングのときにでも、先生にお話ししてください。
一応、それを見分ける判断項目として、
・話すことや語彙力が小さいころから長けている
・さまざまな事象について質問したり、いろんなものに興味関心を持っている
・早い時期から読める
・理解が速い
・記憶力がいい
・パズルがとてもよくできる
・問題解決やその理由づけを楽しんで行う (BBC What if my child is gifted and talented? より)

個々の能力を伸ばす教育-特別な支援というのは、障害を持っている子どもだけに行われるのではなく、みんなに施されるものなのです。
DSC_0040.jpg
こんなふうに、何気なくパズルをしている様子で、
もしかして?と思うこともあるかも・・・。
お子さんをじっくりと観察することも大切ですね。

line8.gif

余談ですが・・・。
以前、上記 The National Association for Gifted & Talented Children から連絡があり、ここに登録している子どもたちのためにワークショップを行うため、日本語と日本文化の講師依頼がありました。たまたま、我が家のすぐ近くにある学校で開かれるものだったので、二つ返事で講師として参加してきました。
集まったのは8歳から16歳までの子どもたち15人。正直、この広い年齢層で日本語を教えるのは大変でしたが、みんな興味津々で楽しんで授業を受けていました。みんな素直だし、物事の飲み込みが速いという印象を受けましたが、でもね、みんな子どもなんです。
自分の名前をカタカナで書いて、ピカチュウの折り紙を見て、キャーキャー言って喜んでいたのが一番印象に残っています。
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