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プロフィール

haykichi

Author:haykichi
本名:『山下かよ子』
Kayoko Yamashita。

日本で小学校の教員として通常学級と特別支援学級で勤務したのち、夫の海外転勤で渡英。イギリスではプリ・スクールで働き、今は小学校でLanguage Assistantとして勤務。
Nottingham 大学でSpecial Needs Education (特別支援教育) 修士号取得 (2012年)。
Jolly Learning 社のJolly Phonics と Jolly Grammar の公認トレーナー(2013年)。

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The Gruffalo: グラッファロ

2012/10/13 (土) 09:44
Early Years ~ Year 2 くらいの授業でよくつかわれる絵本の一つに
The Gruffalo (グラッファロ) があります。


ねずみが森の中を散歩していたときのこと。
このねずみを見かけたきつねが食べてしまおうと、自分の家に誘います。
でも、ねずみは
「gruffalo とお昼ごはんを食べることになっているんだ」
と言います。
「gruffalo って何?」
と聞くきつねに
「gruffalo はね、おそろしいきばとおそろしいつめ、そしておそろしいあごにはおそろしい歯がある生き物なんだよ」
と説明するねずみ。続けて
「今から、ここで会うことになっているんだ。ちなみに、gruffalo の好物はローストきつねなんだよ」
と言うと、きつねは大急ぎで逃げていきます。

その後、ふくろうとへびにも遭遇したねずみ。ねずみはまたまた gruffalo に会うことを説明し、gruffalo の見た目のこわさをどんどん話していき、自分が食べられる危険から逃れます

しかし、ねずみが作り上げた架空の生き物である gruffalo のはずなのに、本当にこの gruffalo がねずみの前に現れ、
「パンの上にお前をのせて食べたらうまそうだな・・・」
と言うではありませんか!
しかし、このねずみ、やすやすと食べられるわけがありません。
「自分はこの森の中で一番強いんだよ。」とgruffalo に伝えると、gruffalo は大笑いし
「じゃ、おれがお前の後をつけていくから、どれだけ強いのか見せてみろよ」
と、ねずみと一緒に森の中を歩いていくことにしました。

あとはお分かりですよね?「虎の威を借る狐」の如く、へびとふくろう、そしてきつねに会い、みんなねずみではなく、gruffalo を見て逃げていくのです。
それを見て驚いた gruffalo に、ねずみは
「ぼくの好物は gruffalo のクランブルなんだ!」
と脅し、gruffalo は大急ぎで逃げて行ってしまいます。

静かになった森の中で木の実見つけたねずみは、おいしく木の実を食べました。



さて、この絵本が教材として使われる理由を挙げてみます。
1) repetition (リピティション:繰り返し)
2) describing words (ディスクライビング・ワーズ:飾る言葉=形容詞)
3) beginning/middle/end (ビギニング/ミドル/エンド:起承転結)
4) animals (アニマルズ:動物)
5) foods (フーズ:食べもの)

1) 5歳前後の子どもたちは、同じ言葉や同じシチュエーションが「繰り返し」出てくる絵本が大好き。子どもたちにとって、次に何が起こるかを予想することができるのはとても楽しいことです。これはまさにそれをうまく使ったお話です。
繰り返しのポイントとして
- ねずみが3匹の動物に会う
- gruffalo を連れたねずみが、またまた3匹の動物に会う
- 2) とも関連しますが、ねずみが gruffalo を説明するときに、特徴を3つずつ同じように伝えていく
ということがあります。

2) この本のいいのは、形容詞がたくさん出てくること。
gruffalo を説明するのに
terrible (おそろしい) ということばを用い、knobbly knees (でこぼこしたひざ), turnd-out toes (外を向いたつま先), poisonous wart (毒をもったいぼ), orange eyes (オレンジ色の目), black tongue (黒色の舌), purple prickle (紫色のとげ)
などなど。
登場人物を説明することは、Year 1, Year 2 でも出てきますが、こうして外見を説明する言葉をどんどん覚えていくことが大切になります。

3) 日本では起承転結を重視するように、イギリスでは ビギニング/ミドル/エンド を重視します。
動物たちに会って、身の危険を逃れること⇒gruffalo に会って、森の中を歩くこと⇒gruffalo も逃げてしまい、最後はおいしく木の実を食べること
というように3つに分かれることを押さえます。

4) そして、森の中にいる動物。きつねやふくろうが登場するあたり、すごくイギリスだな~と感じますね。

5) 他にもイギリスっぽい言葉 (デザート) も出てきますので、お家で子どもに読んであげる時には、ぜひ、どんな食べものかな~?なんて、お母さんも楽しんでください。
roast ~:ロースト ~ イギリスでは日曜日は家族揃ってローストディナーをいただきます。子どもたちにとってもローストと言えば、日曜日のごちそう。この話では roasted fox (ロースト きつね) となっていますね。
ice cream: 子どもも大人も大好きなアイスクリーム。この中では owl ice cream (ふくろう アイスクリーム) が登場。
scrambled ~:スクランブル・エッグが代表ですね。ここでは scrambled snake (いりへび?という感じかしら)。
crumble: クランブル:小麦粉と砂糖とバターをすり合わせてぽろぽろにしたものをリンゴなどのフルーツに振りかけてオーブンで焼いたデザート


実際、この gruffalo はイギリスで大人気で、舞台公演があるほどなんです!授業に使用される云々は関係なく、ぜひ時間のあるときにでもお子さんと一緒にこの本を読んでみてはいかがでしょうか。You Tube でもたくさん読み聞かせがありますので、そちらもお勧めです。


日本のアマゾンで調べたら、日本語版も出ていますね。私は読んだことがありませんが、英語が苦手・・・と思われる方にはいいですね。


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