イギリスの学校

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プロフィール

haykichi

Author:haykichi
本名:『山下かよ子』
Kayoko Yamashita。

日本で小学校の教員として通常学級と特別支援学級で勤務したのち、夫の海外転勤で渡英。イギリスではプリ・スクールで働き、今は小学校でLanguage Assistantとして勤務。
Nottingham 大学でSpecial Needs Education (特別支援教育) 修士号取得 (2012年)。
Jolly Learning 社のJolly Phonics と Jolly Grammar の公認トレーナー(2013年)。

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教科書がない

2012/09/28 (金) 22:38
日本と違うことはたくさんあるのですが、まず驚くのが

教科書がない

ということ。

じゃ、どうやって授業を行うの?と不思議に思いますよね。

一クラスに30人子どもがいるのですが、みんながみんな同じように授業内容を理解していくわけではありません。
算数は苦手だけれど、英語は得意!という子もいます。
また日本から渡英してきたばかりの日本人の子のように、理解はできているけれど、「英語の壁」があり授業内容についていけない子もいます。
教科書に載っている問題でも、ある子には簡単すぎるし、ある子には難しすぎることもあります。
こうした子たちに同じ問題をさせるのはその子のためにはなりません。

イギリスの学校ではこうした個に応じて授業を行っていくので、教科書を使っていては、個のニーズに応じられないのです。

実際の授業では、クラスでは子どもたちを能力別にいくつかのグループに分けているのですが、
そのグループごとに先生がプリントを用意します。

たとえば・・・算数の掛け算の文章問題の授業であったら、
1) すでに九九が入っている子どもであれば、文章問題の応用
2) 九九は入っているけれど、応用が難しい子には簡単な文章問題
3) 九九を覚えている段階なら、2の段と5の段だけでできる文章問題
4) まだ九九が入っていなければ、足し算で文章問題を解いて、それを掛け算に直す
というように、4つのグループに分かれていれば、先生が4種類のプリントを用意し、子どもたちは自分のレベルにあった学習をしていきます。

さらに、ここに Special Educational Needs の (特別な支援の必要な) 子がいれば、その子にも別途プリントや具体物などを用意し、その子にあったレベルで授業を行っていくのです。また、Gifted & Talented (ギフティッド&タレンティッド:能力がかなり高い子たち=秀才児) がいれば、その子たちにはさらに高度な問題も用意します。
私が以前見た Year 2 の算数の授業ですが、Year 4 の問題を行っている子もいれば、数字を1~10まで練習する子もいました。みんな同じクラスで勉強しているのです。
教科書が必要ない理由、わかりますよね。つまり、

教科書がない=個に応じた授業

を実践しているのです。

高学年になってくると、学校で問題集を用意しており、プリントの代わりにその問題集を使うこともあります。(学校ですべて負担するので、親はこうした教材を揃える必要はありません。)

また、英語の授業では先生が本を読んでいくことがよくあります。高学年ともなると、難しい小説も先生が読み、子どもたちは先生が読むのを聞き、それをもとにして授業を行っていきます。この時もやはり教科書はありませんので、プリントやノートを使用していくだけです。(「聞く力」が必要とされるのですが、子どもたちは小さい時から読み聞かせの時間をとっているため、かなりリスニングの力が養われています。)

理科や社会の授業も同様に、「先生が本を読んで子どもたちはプリントを行う」というパターンが多いですね。授業の進め方に関しては、また説明します。

教科書がなくても、こうして授業が行われていくというのは日本人には驚きです。
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