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プロフィール

haykichi

Author:haykichi
本名:『山下かよ子』
Kayoko Yamashita。

日本で小学校の教員として通常学級と特別支援学級で勤務したのち、夫の海外転勤で渡英。イギリスではプリ・スクールで働き、今は小学校でLanguage Assistantとして勤務。
Nottingham 大学でSpecial Needs Education (特別支援教育) 修士号取得 (2012年)。
Jolly Learning 社のJolly Phonics と Jolly Grammar の公認トレーナー(2013年)。

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これがランチ! «  » リーディング:Home Reading その1

リーディング:Home Reading その2

2011/01/30 (日) 00:00
前回に引き続き、Home Reading の中のOxford Reading Tree (ORT) の中の Biff, Chip and Kipper Stories (ビフ、チップ、キッパーのお話) について少し補足したいと思います。

このシリーズ、子どもにも大人気で、どんどん新しいお話が作られています。(私もこの話、大好きです!)
今はStage 1 から Stage 12 までシリーズ化されています。・・・?Stage 1?12? ステージって何?と不思議に思われる方もいるかと思いますので、まずはそこから説明します。下の写真をじっくり見てください。

20110125_DSC_0456.jpg


本の左上に赤、ピンク、黄色、青色のシールが貼ってあるのに気が付きましたか?このシールの色で本の難易度がわかるようになっているのです。前回も書いたように学校では様々な出版社の本を使用しています。いろんな本を読むことはとてもいいことなのですが、問題は各出版社が自分たちで勝手に難易度のレベルを決めてしまっていること。例えば、ORT ではステージという言葉で難易度を示し、他の出版社ではこれまたUnit1,2・・・とユニットという言葉を使ったり、Level1,2, ・・・とレベルという言葉を使ったりさまざまです。これがまた「ステージ1=ユニット1=レベル1」とは限らないので、本当にややこしい!

そこで English Reading Book Bands (イングリッシュ リーディング ブック バンド) というものがイギリスで統一されていて、難易度をわかりやすくピンクや赤色などの色で示すことになりました。シールの色はイギリスで統一されているこのレベルのことなんです。(これについてはまた詳しくお伝えしたいと思います。) 本にこのシールがついてくるのではなく、学校で先生が1冊ずつレベルを確認しながらシールをはっていくのです。

ORT からもビフ、チップ、キッパーのお話を含め、ノンフィクションやフォニックス、伝説など9種類のシリーズが出されています。そこでこの出版社内で全シリーズの難易度レベルを統一できるように独自にステージを1から16までと決めています。Key Stage 1では、ステージ1~9または10まで到達できることを目標にし、Key Stage 2 では ステージ16までが目標となっています。ただし、ビフ、チップ、キッパーシリーズはステージ12までしかありませんので、ステージ13からは ORT の別のシリーズ本を読むことになります。

さて、話がかなりずれてしまいましたが、このビフ、チップ、キッパーのお話シリーズのステージ1は、何と「絵」のみ。文字が一切ありません。親や先生が補助で付いてくる物語を読んであげ、子どもに本に親しんでもらうというのが目的だからです。一緒に絵を見ながら自分でお話を考えるのもいいし、いろいろと質問をしてあげられるともっていいですね。実際、この補助で付いてくる本には具体的な質問もついています。
例えば・・・
・What can you see in the picture? (絵の中になにがある?)
・Have you ever had・・・? (OOくん/ちゃんは・・・ことを体験したことある?)
・Why can't you paint a dog's face? (どうして犬の顔を絵の具で塗ってはいけないの?)
・If you had your face painted, what would you like it to be? (OOくん/ちゃんがもしフェイスペイントをするとしたら、どんなのがいい?)
などなど。できるだけ5W1H (when, who, where, why, what, how) を使って質問してあげると、子どもの想像力や表現力が伸びていきます。日本人のお子さんだったら日本語でもちろんO.K.です。

ステージ1+になると、Mum, Dad, I, and, you, up, go, no などの Key words/frequency words (キーワーズ/フリクエンシーワーズ:重要単語/頻出単語:これについてもまた詳しく説明します) のみで話が展開します。1ページに Mum, Dad and Kipper. という文(というか単語)のみなんです。フォニックスを習い始めたばかりの子供。読む楽しさを覚えていく時期です。
ステージ2では、このキーワーズがどんどん増えていきます。およそ1文が4~5単語くらいになり、スピーチマーク(かぎかっこ)も出てきます。
ステージ3では、1文の単語の数も増え、どんどん難しい単語が出てきます。

この積み重ねでORT はステージ12までいくわけです。ステージ12までになると、かなりの単語量になりますよ。ちょっとした小説ですね。こうして「趣味は読書」というイギリス人が増えていくわけですね。

大人が読んでも十分楽しめるシリーズです。私も全部読破するのが夢・・・。

20110125_DSC_0454.jpg
この本棚の中から本を選んでいきます。この棚の本には赤色のシールが貼ってありますね。

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